独自性

フットサルのコートの大きさは、フルサイズで縦40m・横20mで、サッカーとの差は歴然です。実はこのコートサイズ、そして同じ全くゴールを使うスポーツがハンドボールです。何を隠そうゴレイロ・バイブルの著者は数少ないハンドボールの出身ゴレイロなのですが、フットサルはサッカーと同じ位にハンドボールのGKに似ていると思います。このページでは、特にサッカーのGK出身者を対象に、フットサル ゴレイロの独自の動き、サッカーとの違いにフォーカスします。

現在の日本のフットサルは、サッカーのGK出身の選手が大半であり、指導もその延長で行われがちですが、フットサルでの独自性を理解せずに、名ゴレイロにはなり得ません。それでは、以下をご覧下さい。

1.低いボールの処理

 「ローボールを足で弾き出せ」

日本のフットサル界には、ローボールの処理について、大きく以下の2つの見解があります。

・ローボールはサッカーと同じく、「手」でセーブする(仮:ブラジル流)

・ローボールはハンドボールと同じく、「足」でセーブする(仮:スペイン流)

どちらが正解でしょうか? この答えは‘どちらも正解’とする場合が多いようです。

(理由)

・ブラジル人は背が低く、足だと届かない。スペイン人は背が高いから足でも届く。

・スペインはハンドボールの本場であり、フットサルでも子供の頃から自然と足でセーブしており、それが身についている。

しかしゴレプロでは、低いボールは「足でセーブ」を基本的な考えとしています。

(理由)

・全く同じサイズのゴールを使うハンドボールにおいて、低いボールを手でセーブすることはなく、逆に言うと足で届かないことはない。

・手でセーブすることで、ゴレイロが寝る状態となってしまうため、相手のセカンドボールになった時に対応しにくくなる。

・体に反動をつけたセーブになり、このセーブ方法が身につくと、トーキックや股下、味方にあたっての軌道変更等に対応しにくくなる。

・世界歴代最高のゴレイロと言われる、スペイン代表のルイス・アマド選手が、完全に足でセーブするプレーヤーであり、ゴレプロのお手本選手と位置付 けているため。

詳細については、教本の中で解説していますが、これからフットサルをはじめる人は、是非、低いボールを足でセーブできるゴレイロになって下さい。

 

2.オーバースローの薦め

「サッカー型アーム型スローからの脱却」

 スローの特徴として、野球やハンドボールのように投げるオーバースローがあります。サッカーの投げ方は「アーム型スロー」と命名します。これからゴレイロを始める選手や、今からでも変更可能な場合は、是非アーム型スローは捨てて下さい。

・アームスローは、重くて握れないサッカーボールを、正確性より距離を重視して投げるためのスローである。その証拠に、サッカー以外のボール競技で 同じ投げ方をしない。

・大きな準備動作が必要である。バックスイングをする必要があるので、急激な動作変更やフェイクパスが必要なフットサルには向いていない。

・フットサルは、最大の力で投げる遠距離より、近距離や中距離のスローの頻度が高い。

・途中で止められない。野球/ハンドボール型のスローは、遠くに投げると見せかけて、近くにアンダースローをするようなプレーが有効である。

・スローの種類毎に投げ方が異なってしまう。なるべく同じ形からできるようにしたい。

・もちろん、ボールが「握れない」という問題がある方もいると思いますが、キーパーグローブの粘着性の力を借りたり、握らずに押し出すように投げる方 法もあります(レーザースローと言われるスロー)。

「なぜフットサル専用グローブは、指先がないのか?」

 それはキャッチよりもスローが重視されるからです。攻撃の起点を目指すゴレイロの皆さんは、是非オーバースローで投げられるように練習をして下さ い。